はじめに
観光地にとって、訪れる人を増やすことはもちろん重要ですが、それ以上に大きな課題となるのが「日帰り客をいかに宿泊客へ変えるか」ではないでしょうか。
私自身の個人的な体験ですが、以前、ある有名な温泉街に旅行へ行った時の話です。
美味しい夕食を済ませ、外を少し散歩してみたのですが、多くのお店はすでに閉まっており、街灯の下を少し歩いてすぐにホテルに戻ってしまいました。
結局、寝るまでずっと部屋でテレビを見て過ごし、「せっかく遠くまで来たのに、なんだかもったいないな……」と少し残念な気持ちになったのを覚えています。
一方で、別の旅先で「夜の街を巡るライトアップイベント」に遭遇したときは、高揚感が全く違いました。
夜の街に浮かび上がる幻想的な景色、そして知らない街が輝き、そこを歩いていくワクワク感。
気がつけば思った以上に足を伸ばして街を歩き回り、地元のバーで一杯飲んでから宿に戻るという、非常に満足度の高い一夜を過ごすことができました。
この体験の差こそが、宿泊満足度、そして地域への経済効果に直結するポイントなのです。
夕方になると観光客が駅へと向かい、夜の街が静まり返ってしまう……。
そんな光景を目の当たりにしている自治体担当者の方へ、今回は「夜」という時間をエンターテインメントに変える、謎解き観光を活用した観光施策のヒントをご紹介します。
「夜×謎解き」がもたらす没入感

なぜ、夜の謎解きイベントはこれほどまでに人を惹きつけるのでしょうか。
そこには、昼間には決して作り出せない「没入設計」のヒントが隠されています。
1. 演出としての「光と影」
夜の観光地は、ライトアップによって昼間とは全く別の表情を見せます。
影の中にヒントを隠したり、特定のライトに照らされた時だけ浮かび上がる文字を使ったりと、視覚的なギミックをイベントに組み込むことができます。
2. ミステリー・ホラーとの相性の良さ
「暗闇」は、それだけで物語のスパイスになります。
歴史的な街並みを舞台にした怪談や、夜の洋館でのミステリーなど、ドキドキするような世界観を構築することで、参加者はより深くストーリーに没入します。
3. 宿泊の「必然性」を作る
宿泊施設を物語の舞台にすると、非日常空間の没入体験のみならず、宿泊の必然性を作ることができます。
部屋の中やホテルの至る所に隠された謎や物語を解き明かしていくという体験は、それだけのために観光地を選ぶほど非常に強力なフックとなります。
筆者の私も、ホテルで実施される謎解きイベントを一番の目的として旅行プランを立て、地方観光に向かったことがあります。
謎解きの認知が広がった今、このような誘致も効果的になっています。
具体的な「夜の企画」のバリエーション

自治体や施設で導入できる、夜ならではの謎解き事例やアイデアを紹介します。
幻想的な街歩き!「夜間限定・周遊謎解き」
昼間の賑やかさとは打って変わった、静寂な夜の観光地を歩くイベントです。
例えば提灯やLEDライトを手に街を巡るスタイルにすれば、歩いている姿そのものが絵となり、SNSでの拡散効果も期待できます。
ホテルまるごと体験型!「客室・館内周遊謎解き」
チェックインからチェックアウトまで、ホテルそのものを舞台にする企画です。
客室の中に隠された手がかりを探したり、夜の静かなロビーを探索したり、イベント専用に貸し切った客室を訪れ秘密の合言葉を伝えたり……。
「寝る場所」だったホテルが、一晩中遊べる「アトラクション」へと変貌します。
天候に左右されない点も、運営上の大きなメリットです。
ターゲットを絞った「大人の夜遊び」
お酒を楽しめるバルやバーと連携し、飲み歩きをしながら謎を解く大人向けの企画も人気です。
地域飲食店への直接的な送客効果が見込めるため、地域全体の活性化に大きく貢献します。
地域を丸ごと巻き込み、宿泊・飲食・観光を繋ぐ

夜の謎解き観光は、単独のイベントで終わらせず、地域の事業者を繋ぐ「ハブ」となることができます。
宿泊業界に留まらず、地域全体の盛り上がりを作り出し、「観光・宿泊・飲食」が一体となって潤う経済の好循環を生み出せます。
具体的にどのような連携が可能なのか、その一例を整理しました。
「宿泊+謎解きキット」で予約単価を上げる
ホテルの宿泊プランに謎解きキットを組み込むことで、宿泊予約の動機付けを強くします。
単なる素泊まりプランよりも付加価値が高まり、宿泊単価のアップが見込めるだけでなく、「あの謎解きができるホテル」としてブランド化する効果も期待できます。
飲食店を「チェックポイント」にする回遊設計
夜の街を歩く参加者の導線上に、地元の飲食店を「謎解きの手がかりが得られる場所」として設定します。
これにより、参加者は自然に複数のお店をハシゴすることになります。
お気に入りのお店に出会ってもらい立ち寄ってもらうことで、夜間の消費額が向上し、地域全体の経済活性化に直接寄与します。
おわりに
夜の謎解き観光は、単なる時間潰しのための施策ではありません。
その土地の景観や空気を「夜」というフィルターを通して再認知してもらい、観光客の思い出をより濃いものにするための戦略的な企画です。
「夜にやることがない」という課題を、「夜こそが一番面白い」という強みに変えてみませんか?
株式会社ハレガケでは、商業施設や観光地、地域イベントなどに向けて、謎解き観光事業を中心とした体験型イベントの企画制作をおこなっています。
参加者の心理変化までを見据えた「行動設計」と「物語構成」を掛け合わせ、“つい参加したくなる”イベントをゼロからご提案します。
「街全体を活性化するイベントを作りたい」
「宿泊客を増加させ夜も盛り上げたい」
そうお考えのご担当者様は、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。















