はじめに
澄んだ空気に光が映え、寒さが「ぬくもり」への感度を高めてくれる冬。
五感が繊細になるこの季節は、体験型イベントにとって特別なチャンスです。
気温や空気感、冬特有の音や香り——そんな「情景」そのものを、心に残る体験へと昇華できるのが冬イベントの魅力と言えるでしょう。
今回は、商業施設や地域イベント、テーマパークなどの企画担当者に向けて、「冬ならではの感覚を活かした体験型イベント企画」のヒントをご紹介します。
「雪がない」「室内でやりたい」「小規模開催でも印象に残したい」といった制約があっても大丈夫。
演出や物語設計の工夫で、“冬らしさ”はどこでも引き出せます。
読んだ瞬間に、企画が動き出す。そんなインスピレーションをお届けできれば幸いです。

冬に“体験”が効く理由とは?
冬は、体験の印象をより強く心に刻みやすい季節です。
澄んだ空気と静けさが感覚を研ぎ澄ませ、視覚・触覚・嗅覚への刺激がより鮮明に届くようになります。
だからこそ、わずかな光の演出や、ぬくもりを感じるアイテム、物語のひとことが、参加者の記憶に深く残る体験へとつながります。
さらに、冬は“季節の記号”が豊富です。
年末年始やバレンタインといった行事に加え、「雪」「星空」「灯り」「チョコレート」「白」「マフラー」などの、この季節ならではの要素やモチーフが多く、参加者に世界観を一瞬で伝える手がかりにもなります。
冬は「体験に感情を乗せやすい季節」。
日常が静かになるぶん、体験の余韻が広がりやすく、五感とともに感情を動かす企画が届きやすくなるのです。

冬の魅力を引き出す3つの要素
寒さが際立つ季節だからこそ、冬の体験は“心に残る仕掛け”を作りやすいタイミングです。
その鍵となるのが、「光」「ぬくもり」「物語」の3要素。
この3つは、どんなイベント企画にも組み合わせられる汎用性を持ちながら、冬ならではの感動や記憶に残る演出を生み出すエッセンスです。
それぞれの要素が持つ力と、活用ポイントをご紹介します。
①光で空間を語らせる:夜が“主役”になる演出を

冬の澄んだ空気は、光の輪郭をくっきりと浮かび上がらせます。
特にイルミネーションやキャンドルなどの“灯り”を使った演出は、視覚だけでなく感情にも直接訴えかける力があります。
暖色をベースに寒色をアクセントとして使うことで「冷たさと温かさの対比」が際立ち、視覚的にも心理的にもインパクトのある空間に。
夜間の回遊導線や滞在時間を延ばす工夫としても有効です。
②ぬくもりを設計する:体感温度と心の温度を満たす

冬の寒さを逆手に取って「温もり」を演出に変えるのがポイント。
あたたかい飲み物やヒーターの物理的な対策に加えて、スタッフの一言や手渡しカード、ストーリー性のあるワークショップなど、心理的な“あったかさ”の設計が効果を発揮します。
とくにハンズオン型のワークショップや、小道具に触れるアクションは「参加した感」「写真映え」「共有したくなる気持ち」を同時に引き出し、満足度の高い体験へとつながります。
③物語とキャラクターで没入をつくる:語りすぎず、体験で語らせる

冬は「記憶」「願い」「奇跡」といったテーマが自然となじむ季節です。
だからこそ、物語やキャラクターを活かして、参加者が“自分も物語の登場人物である”と感じられるような設計が、没入感を高める鍵になります。
たとえば「キャラクターから届いた手紙をきっかけに動き出す」など、誰かの思いを受け取るところから体験が始まると、参加者の感情が動きやすくなります。
また、キャラクターに「守りたいもの」「伝えたい想い」など明確な目的があると、その思いに共感しながら行動できるようになります。
最初から語りすぎず、体験の中で少しずつ情報を紐解いていくことで、物語は“誰かの話”ではなく“自分の物語”になっていきます。
それが、記憶に残る冬の特別な体験につながっていくのです。
冬の魅力を活用したすぐ使える企画アイデア
ここからは、冬の空気感や季節感を活かした、すぐに導入できる企画アイデアをご紹介します。
企画を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
①持ち歩ける「ミニランタン・ライトウォーク」
手のひらサイズの小さなランタンを片手に、夕暮れから夜にかけて澄んだ冬の空気の中を歩く――
それだけで、日常の景色が幻想的な“非日常空間”に変わります。
光のゆらめきが足元を照らし、参加者同士の距離も自然と縮まる演出に。
火を使わないLEDランタンなら、屋内外問わず安全に実施でき、夜の商業施設や地域イベントにもぴったりです。
ただ歩くのではなく物語のあるウィークイベントにすることで、参加者が世界観に入り込みながら回遊でき、記憶に残る体験を提供できます。
その場所にちなんだ物語や、冬らしさや温かみを感じるものがおすすめです。

②冬モチーフのスタンプラリー
「雪の結晶」「星のかけら」「贈り物のシール」など、冬のモチーフをちりばめたスタンプラリー。
スタンプ台紙やスマートフォンを使ったデジタル台紙で、会場内にあるスタンプを集めてもらいます。
集めた数に応じて、景品やクーポンをプレゼントするのも、回遊性や滞在時間の向上が期待できるのでおすすめです。
比較的実施ハードルが低く、商業施設内全体でのイベント(店舗連動)にも向いています。

また、ハレガケが提供する物語選択型デジタルスタンプラリー「Story Stamp」では、通常のスタンプラリーに加えて物語が楽しめるため、クリスマスやバレンタインなどのイベントに合わせた季節感のあるスタンプラリーイベントの実施が可能です。
スタンプを押すことで物語が進行していく仕組みなので、途中離脱も少なく、子どもから大人まで、最後までワクワクしながら参加していただけます。
コミュニケーションアプリ「LINE」を活用したデジタル型のスタンプラリーのため、台紙を準備する手間もなく、人数制限もないので、多くの方に参加してもらえることも特徴です。
③光と音のショータイム
決まった時刻に短時間(1~3分)のイルミネーション演出を行う企画です。
冬の夜に映えるイルミネーションを、「短く・濃く・記憶に残る」演出で届けるミニショータイムで、全館または会場のLEDを一斉に切り替え、音楽やナレーション、光の演出などの効果で、視覚と聴覚にインパクトを与えます。
短時間だからこそ「この時間に合わせて来場しよう」「あと何分で始まるから見ていこう」など、来場や滞在の動機づけにもなりやすく、おすすめの企画です。

冬の夜にぴったりの“リアル謎解きゲーム”
参加者自身が主人公として物語の中に入り、体験する“リアル謎解きゲーム”もおすすめです。
「雪の日の夜に届いた一通の手紙から始まる物語」「寒さで凍ってしまった時計塔の謎を解き明かしていく物語」などの冬らしいシナリオや、クリスマスやバレンタインにちなんだ物語に仕立てれば、幻想的でロマンチックな演出も可能です。
会場内を回遊しながら、謎を解いて進むことで滞在時間が自然に延び、参加者の満足度も向上します。
ライトや道具を活用した「見た目に楽しい」仕掛けを組み込むことで、SNS拡散にもつながりやすいです。
その場所のポテンシャルを引き出す!ロケーション別企画アイデア

商業施設(ショッピングモール)
短時間で満足させ、自然に回遊させる設計がカギ。
買い物の合間に立ち寄れる「10~15分で完結する小さな体験」を複数用意しましょう。
ミニ謎解き、フォトスポット、スタンプラリー、限定クーポンの配布などを組み合わせるのがおすすめ。
床サインや短い誘導コピーで導線をつくると、店舗間の移動がスムーズに。回転率アップには待機列の表示や景品交換の流れ整理も有効です。
テーマパーク
物語体験で滞在時間と満足度アップ。
30~90分ほどのストーリー性のある長尺体験が好相性。来場者が「物語の登場人物」になれる構成にすると没入感が高まり、SNSや口コミでの拡散も期待できます。
寒い冬は「屋外での緊張→屋内での休憩」のリズムづくりがカギ。
温かい飲食や短時間アトラクションを挟んで体験を快適に保ちましょう。
夜間演出をクライマックスにすると滞在延長にもつながります。
地域イベント/自治体
地域資源を“物語”に変えるのがポイント。
伝承・歴史・景観・特産品などをストーリーに落とし込み、地元巡りの楽しさを演出。
商店街や観光拠点と連動すれば、滞在時間と消費を自然に引き上げられます。
まずはパイロット版から始めると、行政調整や地元説明がスムーズです。
出店やワークショップの協力で地域一体型イベントにしやすく、成果は来場者数だけでなく「地域の消費額」や「満足度」でも見ていくと◎。
ハレガケができること

株式会社ハレガケでは、商業施設や観光地、自治体主催イベントなどに向けて、リアル謎解きゲームを中心とした体験型イベントを企画・制作しています。
私たちが大切にしているのは、“その場所ならではの魅力”と“参加者の感情”の両方に響く体験づくりです。
冬という季節は、五感が研ぎ澄まされ、感情が揺れやすい特別なタイミング。
演出や物語、キャラクター、導線設計といったあらゆる要素を通じて、その一瞬を“思い出”に変えるお手伝いができます。
また、ターゲットや目的に合わせて柔軟にプランを設計できるのも、私たちの強みです。
「立ち寄りやすい短時間体験」「施設全体を使った回遊型」「地域の文化や歴史を物語に落とし込んだ滞在型」など、あらゆるタイプのロケーションに対応が可能です。
現地調査から運営マニュアル作成、SNSとの連動施策まで、イベント成功に必要なすべてをワンストップでサポートいたします。
「冬イベントを、ただの“催し”ではなく、来場者にとって“記憶に残る体験”に変えたい。」
そんな想いをお持ちの方は、ぜひ一度お問い合わせください。















