はじめに|「歩くだけ」の体験が、なぜ記憶に残るのか?
「街歩きイベント」や「回遊型観光イベント」と聞くと、なんとなく“のんびり散策するだけ”というイメージを抱く方も多いかもしれません。
しかし実は、近年注目されている体験型イベントの中でも、【歩く体験を軸にした回遊型イベント】は、高い参加満足度やリピート率を誇る人気のジャンルです。
このコラムでは、謎解きをはじめとする体験要素を取り入れた「歩いて楽しむ」イベントの設計ポイントや、観光や地域活性化における効果、参加者の記憶に残る理由などを、事例とあわせてご紹介します。
「五感」への刺激が、心を動かす鍵になる

回遊型イベントでは、実際にその場所を「歩いて巡る」からこそ得られる【五感の刺激】が大きな魅力です。
スマホやオンラインでは味わえない、現地ならではの体験──たとえば、潮の香りが漂う商店街の路地、石畳の感触、地元のお店から聞こえる呼び込みの声などが、参加者の記憶に深く刻まれます。
とくにリアル謎解きゲームのような体験型イベントでは、参加者が「主人公」として物語の世界に入り込みながら、自然と街の風景・音・匂い・会話に触れていきます。
これにより、ただ通り過ぎるのではなく「体験としてその土地を記憶する」状態が生まれます。
脳科学的にも証明される「歩く」と「記憶」の関係

実は、【歩く体験】が記憶に残りやすいのには、脳科学的な裏付けもあります。
人間の記憶は、感情や身体の動きと強く結びついており、「自らの身体を動かしながら得た情報」は記憶に定着しやすいとされています。
また、「場所を移動しながら新しい情報を得ること」は、脳の海馬を活性化させ、記憶力や創造力を高める効果があるとされています。
単なる静的な展示や体験よりも、参加者が「歩く・探す・気付く・解く」といった動的なプロセスを経ることで、イベント自体が「印象的な出来事」として脳に残るのです。
現地×物語で作る、街を“舞台”にする体験

回遊型イベントの魅力を高めるには、「ただ歩く」だけでなく、物語構造とリンクさせることが重要です。
謎解きイベントでは特に、このストーリー設計が鍵になります。
例えば、その土地にまつわる文化や歴史を織り交ぜたストーリーで展開したり、街の複数の地点を“物語の重要なスポット”に見立てたりすることで、単なる地図のルートが、物語の進行に欠かせない舞台へと変化します。
これにより参加者は、「この場所である意味」や「次はどんな場所に行き、どんな展開が待っているのか」というワクワク感を持ちながら移動でき、その場所や地域への関心や愛着も高まります。
【事例紹介①】五感を刺激する演出設計(自然を感じる謎解きゲーム)

静岡県・天城高原(ホテルハーヴェスト天城高原)で開催されたこのリアル謎解きゲームは、「自然豊かな天城高原を舞台にした五感体験」が特徴です。
宿泊者以外も参加できるこの企画は、「天城高原の魅力を初めて訪れる人にも体感してほしい」という思いから始まりました。
“自然”をテーマとし、物語の主人公となった参加者は、森を歩きながら1頭の鹿と出会い、精霊の願いを辿っていきます。
謎解きの中では、スマートフォンをかざすと“音”が聴こえたり、入手したアイテムから“森の香り”を感じられたりと、五感で自然を楽しめる演出が随所に用意されています。
視覚だけでなく、聴覚や嗅覚を刺激することで、まるで物語世界に入り込んだような没入体験を演出しています。
このように、その場所ならではの物語や展開、感覚を活用した演出は、自然環境だけでなく、街中でも応用が可能です。
音や香り、光といったその場にマッチする要素を取り入れることで、日常空間に「物語と一体化する感覚」を生み出すことができるのです。
【事例紹介②】街の景色を謎に組み込む(商店街を巡るリアル謎解きゲーム)

東京・品川区の3つの商店街を舞台に開催されたこのリアル謎解きゲームは、「実際の商店街を歩きながら」周遊する街歩きイベントです。
参加者は探偵になりきって、街中の看板やお店のモニュメント、掲示板のポスターなどを“手がかり”に謎を解き進めます。
街のリアルな風景を頼りに物語が進行していく体験は、まさに“歩くこと”自体がストーリーの一部となる設計です。
また、このイベントは、どの商店街からでも自由に始められる形式を採用しており、謎解きを楽しみながら気になるお店に立ち寄る、商店街のグルメを楽しむなど、参加者自身のペースで楽しめる構成にしました。
実際にファミリー層や親子連れの参加も多く、日常の延長線上で地域とふれあいながら、街歩きを楽しむ様子が見られました。
こうしたリアルの場を活かした演出は、街歩きと相性が良く、商店街だけでなく、観光地や駅周辺、ショッピングモールなど、さまざまなエリアで応用が可能です。
リアルな風景やその場所ならではのものとリンクさせることで、「印象に残る体験」へと昇華させることができます。
SNSで拡散される“感情の余韻”

回遊型イベントのもう一つの強みは、参加後の感情の余韻が大きく、SNSでの自然な発信につながりやすいという点です。
とくに「場所の雰囲気にあったエモい物語で感動した」「自分だけが見つけた景色があった」「ご当地グルメを食べながら進められて楽しかった」など、感情と結びついた体験は、写真や感想とともに投稿されやすく、イベントの口コミ効果や再訪の動機づけにも効果的です。
ハレガケができること|「歩いて楽しむ」体験を、記憶に残るイベントに変える

株式会社ハレガケは、謎解きイベントを中心とした体験型プロモーションを専門に、商業施設・観光地・自治体・地域商店街などで数多くの回遊型イベントを企画・制作してきました。
私たちは、「その場に行くからこそ意味がある体験」の設計を得意としています。
回遊を促す動線設計+物語構造
・その場所や街並みに合わせて、無理なく回遊できるルートを設計
・“次の目的地に行きたくなる”ようなストーリー性や展開、演出を組み込むことで、歩く体験を楽しみに変える仕掛け
商店街や観光地の“リアルな景色”を謎に活用
・店舗看板・掲示物・装飾など、その場にある要素を「謎のヒント」として活用
・ゲームのための特別なセットがなくても、“現地の魅力”そのものを使って設計可能
親子・観光客・カップルなど幅広い層に対応した企画提案
・LINEや紙キットの併用、キャラクターやキャスト導入など、対象層に合わせた柔軟な構成設計
・施設利用・飲食・観光消費と連動した回遊施策の実績多数
「歩くだけのイベントでは満足されない……」
「地域や施設の魅力を“体験”として伝えたい」
そんなお悩みをお持ちのご担当者様は、ぜひ一度、ハレガケにご相談ください。
“歩くこと”が記憶に残る体験に変わる、効果的なイベントをご提案します。















