2025.11.10
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謎解きイベントの“心理的効果”とは?人が夢中になる3つの理由

目次

はじめに|なぜ人は「謎解きゲーム」に夢中になるのか?

近年、企業のプロモーションや観光地の回遊施策、さらには社内イベントにまで活用されるようになった謎解きイベント
一見すると「娯楽」や「レクリエーション」のように見えるこの体験型イベントですが、実は参加者の心理に働きかけ、行動変容や記憶定着、満足度の向上といった高い効果を生み出していることをご存知でしょうか。

「謎解きイベントって流行ってるけど、実際どんな効果があるの?」
「企業や観光地、地域の集客にも活かせるの?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、本記事では、そんな謎解きイベントがなぜこれほどまでに人を惹きつけるのか、心理的な視点からその理由を解説していきます。

導入を検討中の方、あるいは体験型イベントの可能性をもっと深く知りたい方に向けて、“夢中”が生まれる3つの理由と、実際のイベントでも見られた効果をご紹介します。

謎解き冊子を見ながら話し合う男女

 

解けたときの快感がやる気を引き出す ― 「達成感」×「自己効力感」

謎解きゲーム最大の魅力のひとつが、「解けた!」という瞬間に感じる強い達成感です。
人間の脳は、困難な課題を自力でクリアしたときにドーパミン(報酬系神経伝達物質)を分泌し、強い快感を得ます。

これは心理学でいう「自己効力感(self-efficacy):自分にはできるという感覚」と密接に関係しています。
謎解きでは、参加者が自ら考え、手を動かし、トライ&エラーを重ねながら、ひらめきをもとに答えにたどり着きます。つまり、誰かに与えられる“正解”ではなく、自分の力で導き出す“発見”があるのです。

この体験は、特に普段の生活で「褒められる」ことが少ない大人にとって非常に貴重であり、前向きな気持ちや自信を呼び起こす効果があります。

 

誰かと一緒に解くことで、会話も気持ちも動き出す ― 「協力」×「一体感」

謎解きイベントの多くは、チームでの参加を推奨しています。
これはただの遊び以上に、人と人とのコミュニケーション活性に役立つ仕掛けです。

謎解き中の会話には、自然な役割分担や意見交換、時には笑いが生まれます
初対面同士でも「どこにヒントがある?」「それ天才かも!」といった共通体験の喜びを通じて、一気に距離が縮まることが多くあります。

親子での参加やカップルでのデート利用など、関係性が深まるレジャーとしても注目されているほか、
近年では、組織開発やチームビルディングの現場などでも活用されており、「イベントが終わった後の会話量が増えた」「職場での関係性がよくなった」といった声も寄せられています。

 

“考える楽しさ”が脳にいい! ― 「ストレス発散」×「学び」の効果

一見すると「頭を使う=疲れる」と思われがちな謎解きですが、実は逆なのです。
適度な思考は、脳の活性化やストレス発散に効果的です。

行動科学の研究では、“適度な難しさ”の課題に取り組むことで、脳がポジティブな緊張状態に入り、集中力や没入感が高まることがわかっています。
謎解きはまさにこの「ちょっと難しいけど楽しい」というゾーンを狙って設計されており、非日常のリフレッシュ体験として支持されています。

また、「論理的思考」「ひらめき」「観察力」などが鍛えられる点も、教育的・知育的な価値として評価されています。

 

実際のイベント参加者の声とデータから見る“心理効果”

謎解きイベントの“心理的効果”を裏付けるものとして、実際のアンケート結果や参加者の声をご紹介します。
ここでは、株式会社ハレガケが企画・制作した2つの実例、日比谷で開催した街歩き型謎解きイベントと、千代田区で開催したお花見と連動した謎解きイベントの結果をもとに、謎解き体験がもたらす心理的報酬と行動変容の実態を読み解いていきます。

①高い満足度と再訪意欲が“心が動いた証”

2025年に日比谷で開催されたリアル謎解きゲーム(ヒビとあなたの不思議な1日)のメインビジュアル

日比谷で開催したイベントでは、95.9%もの参加者が「次回も参加したい」と回答
親子や友人同士での参加が多く、「子どもと一緒に夢中になれた」「街の知らなかった一面に出会えた」といった感想が多く寄せられました。

 

2025年に千代田区で開催されたリアル謎解きゲーム(千代田のさくらまつり×リアル謎解きゲーム)のメインビジュアル

また、千代田区で開催した「千代田のさくらまつり×リアル謎解きゲーム」では、96.3%が「次回も参加したい」と回答し、春の恒例イベントとしての地位を確立しつつあります。
初回からのリピーターも年々増加しており、2023年の第1回に参加した人が17.0%、2024年の第2回に参加した人が37.1%という結果から、参加者が毎年の楽しみとして定着させていることが伺えます。

 

これらの高い再訪意向は、単なる娯楽以上に「心が動く体験」であったことを示す証拠です。

 

②謎解きをきっかけに生まれる“行動変容”

心理的充足感は、体験後の具体的な行動にも波及します。
日比谷のイベントでは、参加者の9割以上が現地で1,000円以上の消費を経験。
千代田のさくらまつりでは、8割以上の参加者が現地での飲食や買い物を楽しんだと回答。

日比谷のイベントは参加費990円(税込)、千代田のさくらまつりは無料のイベントでしたが、どちらのイベントでも現地消費が活発に行われている点は注目したいポイントです。
これは「楽しかったから、もう少しこの街で過ごしたい」「気分が良くなって、ちょっとご飯でも」「ついでにお茶やお買い物をしよう」というように、体験の満足感や余韻が“自発的な消費行動”につながっていることを意味します。

③感情の動きが体験を“語りたくなる記憶”に変える

両イベントのアンケートには「また来たい」「家族と過ごすいい時間になった」「知らないスポットを知れて面白かった」など、体験そのものへのポジティブな感想が多数寄せられています。中でも印象的だったのは、

「毎年の楽しみになっている」
「こんなに綺麗な公園があるなんて知らなかった」
「次はあの店に寄ってみたい」

といった、“体験をきっかけに新しい視点を得た”という声の多さです。
これは、ただ謎を解いただけではない、“感情と記憶がリンクした体験”だったからこそ生まれた反応です。

 

まとめ|“人の心を動かす体験”としての謎解きイベント

謎解きイベントは、人の内面に働きかけ、感情や行動を変える“体験装置”として高く評価されています。
株式会社ハレガケでは、商業施設や観光地、地域イベントなどに向けて、リアル謎解きゲームを中心とした体験型イベントの企画制作をおこなっています。

参加者の心理変化までを見据えた「行動設計」と「物語構成」を掛け合わせ、“つい参加したくなる”イベントをゼロからご提案します。

「参加者の満足度をもっと上げたい」
「記憶に残るイベントにしたい」
そうお考えのご担当者様は、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。