2025.10.30
テーマパーク

“イベント慣れ”しているお客様も満足!体験の“深さ”をつくる設計とは?

目次

はじめに

商業施設やテーマパーク、観光地では、年間を通じて多くのイベントが企画・開催されます。
来場促進や話題づくりの一環として欠かせない施策である一方で、頻繁な開催があだとなり、「イベント疲れ」や「マンネリ感」に繋がるケースも少なくありません。

「以前と似たような内容だった」「1回参加すれば十分」――そんな声が聞こえてくる前に必要なのが、“体験の深さ”を設計する視点です。
今回は、イベント慣れしたお客様にも“また行きたい” “今度は友達と一緒に参加したい”と思ってもらえるような、奥行きある参加体験のつくり方をご紹介します。

 

初心者も常連も楽しめる“レイヤー構造”の体験設計

イベントのリピーターを飽きさせないためには、“誰が参加しても楽しめる”という安心感と、“何度参加しても新しい発見がある”という奥深さの両立が重要です。

その鍵となるのが、“体験のレイヤー構造”です。

 

【表層】初参加でも達成感が得られる仕掛け

・ルールがわかりやすく、気軽に参加できる
・親子やカップルでも楽しめるエンタメ要素がある
・結果が可視化されるような達成の演出(スタンプ・認定証など)

【深層】リピーターが発見できる裏設定や考察要素

・回数を重ねて初めて気づけるストーリーの伏線
・選択によって変わる結末やルート分岐
・常連にだけ明かされる“裏モード”や“次回予告”

 

このように、異なる層の参加者がそれぞれのレベルで満足できる仕掛けを重ねることで、体験の解像度を高めることができます。
常連が新規参加者を誘いやすくなるという副次的な効果も期待できます。

 

“自分ごと化”された体験は、記憶にも残りやすい

近年の体験型イベントでは、「その場で楽しかった」で終わる体験よりも、“自分ごと”として取り組める仕掛けがあるものが、より満足度や記憶への残り方が高い傾向にあります。

 

たとえば……

・選択肢によって物語が変化する演出
自分の選んだ行動によって展開が変わると、まるで自分が物語の主人公になったような感覚が生まれます。
「あの時こう選んだから、こうなったんだ」という納得感は、体験にリアリティを与えます。

・行動の“振り返り”ができる仕組み
ゲームの最後に、自分のプレイスタイルに基づいた「性格タイプ診断」や、「あなたにおすすめの次の体験」が表示されるような演出は、体験後の余韻を深めてくれます。

・自分の体験を“語りたくなる”余白
「自分が何を感じたか」「どんなルートを辿ったか」などの誰かに話したくなる要素があると、SNSや口コミでの拡散が起こりやすくなります。
友人同士で参加しても「私はこっちだった!」「そんな展開もあるの?」と、話題が広がります。

こうした“自分なりの視点や気づき”を持ち帰れる設計は、体験の満足度を上げるだけでなく、再訪意欲や次回イベントへの期待感にも繋がっていきます。
体験が記憶に残るのは、そこに「自分だけの物語」が存在するからです。

 

リアルとフィクションが交錯する“意味づけ”の設計

「体験型イベント」を設計する上で、現実の空間や歴史的な背景に“フィクション”を重ね合わせる手法は、体験に独自の深みを与えます。
これは単なる物語づくりではなく、イベントの舞台となる「その場所ならでは」の魅力や価値を、来場者の記憶に残る形で伝えるための重要な要素です。

たとえば……
・地域にまつわる逸話や伝承をストーリーに盛り込むことで、普段何気なく見ていた街並みや建物が“舞台装置”として生きてくる
・実際の人物や歴史、地元の産業などの要素を取り入れることで、観光や学びの要素とも自然に融合できる
・現地の看板や建造物を“伏線”として活用し、フィクションの中にリアリティを差し込むことで没入感が高まる

このように、リアルな場所に意味や物語を与えることは、“今この空間に自分がいる意味”を感じさせる演出になります。
施設や地域の強みを活かした設計は、単発のエンタメではなく“価値のある体験”として記憶されるため、ブランディングやリピート施策にも有効です。

特に観光地や歴史のある施設などでは、既に存在している文化的資産を“物語の素材”として活かすことで、余計な装飾をせずとも高い体験価値を生み出すことが可能です。

 

“語りたくなる余白”を残した体験デザイン

体験型イベントの魅力は、参加中の盛り上がりだけではありません。
むしろ“体験後”にどんな感情や記憶が残るか――この“余韻”の設計こそが、口コミやSNSシェアを生み、来場者の再訪や他者への推薦を促します。

中でも効果的なのが、「語りたくなる余白」を意図的に残すことです。

たとえば…
・あえてすべてを明かさないストーリー設計
➡︎エンディングに複数の解釈がある、黒幕の正体が曖昧なまま終わるなど

・伏線回収が参加者の“考察”に委ねられる仕掛け
➡︎「もしかしてあのときのあれが……?」と想像したくなる構造

・イベント後に制作の裏話や他参加者の“気づき”を紹介する公式コンテンツ
➡︎ブログ、Xポスト、考察特集など

これにより、来場者は“答えを得る”のではなく、“自分なりの答え”を持ち帰ることになります。
複数人で参加した場合も、それぞれ異なる解釈や視点が出るため、体験後の会話も盛り上がります

特に近年は、SNSで「#〇〇考察」などのタグをつけてシェアする文化も定着しつつあり、あえて“語れる隙間”をつくることでイベント自体の拡散力が高まる傾向にあります。

演出すべてを“説明しきらない勇気”を持つことで、参加者自身が能動的に物語を補完し、より深い体験として心に残る設計が可能になります。

 

まとめ|“記憶に残る”体験型イベントを設計するために

リピーターが多い施設や、頻繁にイベントが開催されている商業施設・観光地では、「次もまた行きたい」「人に話したくなる」と思ってもらえるような“記憶に残る体験”をつくることが、リピート来場や話題化につながる鍵となります。

今回ご紹介したような仕掛け
・その人自身が“自分ごと”として楽しめる導線設計
現実の場所に意味を持たせ、物語の舞台として印象づける工夫
・体験後に語りたくなる“余白”のあるストーリー展開
という要素は、派手な演出や景品がなくても「行ってよかった」と思える満足感を生み出します。

ただ楽しい”を超えて、“何度でも楽しめる” “誰かに共有したくなる”体験設計を意識することで、イベント慣れした来場者にも新しい驚きや発見を届けられるはずです。

 

ハレガケにできること

私たち株式会社ハレガケ(NAZO×NAZO劇団)は、リアル謎解きゲームをはじめとする「参加者体験型イベント」を企画・制作する会社です。
その場所ならではの魅力”に、ターゲットの心をくすぐる要素を掛け合わせ、「行きたくなる理由」を設計することを得意としています。

・商業施設・テーマパーク・地域など多様なロケーションに対応
・LINE・スマホ連動/紙キット/デジタルスタンプラリーなど多様な形式で提供可能
・場所やテーマに応じたストーリー設計や謎制作、空間演出までワンストップで対応
・700件を超える実績をもとに、企画段階から設計・集客・効果測定までトータルサポート

「ただの体験ではなく、記憶に残る体験を提供したい」「設計の深度をもっと高めたい」と考えている担当者様は、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。