はじめに
「イベントをやりたいけど、うちの施設にはスペースがない……」
「共用部しか使えず、通行の妨げになるのが心配……」
そんな理由で体験型イベントの導入を諦めていませんか?
実は、“広くなくてもできる”設計のコツさえ押さえれば、限られたスペースでも参加者にしっかりと満足してもらえる体験を提供できます。
この記事では、商業施設・自治体・観光施設などでイベントスペースに制約がある方向けに、実践的な設計ポイントを紹介します。
よくあるスペース関連のトラブルとその回避法
限られたスペースでのイベント実施には、事前に知っておきたい“よくある落とし穴”があります。
よくあるミスやクレーム
・導線がふさがれて通行しづらい
➡︎お客様や他店舗からクレームに発展
・人だかりができて混雑、滞留が発生する
➡︎施設運営面や防災面でリスクに
・立ち止まる、長時間滞在する前提の設計になっている
➡︎周囲に迷惑がかかりやすく、印象も悪くなる
回避方法の例
・“流れる設計”にする
➡︎通路幅に応じて、立ち止まる時間が短くなるような「ワンアクション型体験」を基本にする
・混雑ポイントを分散させる
➡︎チェックポイントやスタート地点を複数用意する
・想定導線、立ち位置を明確に示す
➡︎床面シートやPOPなどで“ここで止まってOK”や”移動しよう!”など、参加者導線が可視化されていると、スタッフ配置も最小限にできて安心です

狭いスペースでもできる!空間を活かすイベント設計例
制約があるからといって、やれることが少ないわけではありません。
以下のような“スペースを活かす”タイプの設計もできますよ。
通路や屋内通路では
・掲示形式のシンプル体験に
➡︎通路の壁や柱に問題やクイズ、案内板などを掲示するのがおすすめです。
滞留せずに楽しめるように、“クイズは撮影して、ベンチで解こう!”など誘導すると◎です。
・目線を使った視覚的な発見体験
➡︎通路の上部・足元・左右など、普段あまりみない場所や目線の高さをずらして掲示や設置をすることで、探す楽しさやちょっとした驚きを演出できます。
“つい見てしまう”仕掛けが楽しい工夫です。
共用部や小スペースでは
その場で完結する参加型スポットに
➡︎立ち止まって参加できる1問だけのクイズや、写真を撮るためのフォトスポットにするなど、短時間で完結する軽量コンテンツを設置するのがおすすめです。
回転率も高く管理もしやすいです。
・自然な回遊を促す一方通行型のルート設計に
➡「順路」が一方向に決められていることで滞留しにくく、密集の発生も防げる設計です。
商業施設内の既存導線と連動させることで、効果的に集客&導線案内することもできます。
階段/吹き抜け/屋上では
・新たな発見が楽しい場所にする
➡︎普段使わない場所をイベント導線として活用することで、「ここ、こんな風になっていたんだ!」という発見要素に変えられます。

イベント形式を“空間にフィットさせる”発想を持つ
狭い場所でも成立するのは、体験形式そのものが柔軟であることが前提です。
特におすすめなのが以下のような形式です。
短時間立ち止まり型のコンテンツ
└各所に掲出された問題をその場で“見るだけ”で解ける設計
└混雑しないように、1問=約20~30秒程度で済む設計にするのが理想
少人数制の体験にする
└事前予約制にしたり、「3人ずつ入場」など制御しつつ案内したりすることで、スペースを確保しつつ、体験の質を保つ
└参加人数よりも、特別感を重視している・高い没入感や演出の質を求めている施設に◎
回遊型/分散型の設計が基本のコンテンツ
└回遊導線を通じて各所を訪れる形式(周遊型謎解き・スタンプラリーなど)
└スタート地点や導線を分散させて混雑を回避することも可能

謎解きゲームやデジタルコンテンツは“場所に合わせられる”柔軟性が強み
イベントの設計において、「場所に合わせられる柔軟性があるかどうか」は、実施可否を大きく左右します。
その点で、謎解きゲームやデジタル連動型の体験コンテンツは、空間制限への適応力が非常に高いのが特徴です。
私たちハレガケでも、限られたスペースや特殊な立地条件を逆手に取って、逆に「その場所でしかできないオリジナルの体験」を数多く企画・制作してきました。
①柱や壁面、オブジェやモニュメントなど“そのまま”を活かせる設計が可能
謎解きイベントでは、施設にもともとあるものや構造、デザインを活かして以下のような設計が可能です。
・通路の柱や店の看板、風景を見て解く謎を用意することで、どこでも「謎解きスポット」に変えられる
・その場所にまつわるストーリーを取り入れることによって、いつもの場所や風景が違って見えたり、エモく映ったりする
・普段は通り過ぎてしまうような場所でも、物語や謎に導かれて自然に巡ることができる上、“発見の場”として演出できる
こうした工夫により、「場所を飾る」以上の“場所そのものが体験の一部になる”仕掛けを実現できます。

②コンテンツ側を「場所に合わせて」カスタマイズできる
謎解きや体験型イベントの魅力は、既存の空間を変えずに演出できる自由度の高さです。
・問題の難易度や情報量をターゲットや通行速度に合わせて調整できる
・デジタル媒体との連携で紙や掲示物を一切置かずに実施することも可能
・混雑が想定される場所では、スマホ操作だけで楽しめる1人完結型設計にも対応可能
施設の広さや構造、導線に合わせて、「一番スムーズに楽しんでもらえる形」を柔軟に提案できるのも、私たちの得意領域です。

③デジタル連動で“場を選ばない体験”に
スマートフォンやタブレットを活用したデジタルコンテンツは、設置物がほとんど不要なため、場所を選ばずおすすめです。
最近では、LINEの公式アカウントを活用するなど、すでに参加者のスマートフォンに入っている可能性が高いアプリを利用するケースも増えています。
・景観を壊したくない
・イベントの物を置くのが難しい
・複数の施設間をまたいで体験をつなぎたい
といったシーンでも“置かずに始められる”イベント設計が可能です。
また、参加者ごとの進行状況や参加者数の把握、アンケートデータの取得もできるため、体験の質とマーケティング活用の両立が図れるのも、デジタルを活用したイベントの強みになります。

まとめ|スペースの制約=アイデアの出番!
イベント実施の現場では、「この場所では無理かも……」という制約がつきものです。
しかし、その制約を“設計の起点”として捉えることで、むしろ創造的な体験が生まれます。
・狭い場所でも成立するイベント形式や、狭い場所を生かしたコンテンツを選ぶ
・混雑、導線を意識して“流れる”体験を設計する
・謎解きやデジタルなど、柔軟にフィットできるコンテンツを活用する
私たちハレガケでは、こうしたスペース制約に応じたイベントの企画・制作を数多く手がけています。
狭さや通路など、制限があるからこそできる演出や仕掛けを、プロの視点からご提案いたします。
「この場所でもイベントってできるの?」
「導線に配慮した体験設計が知りたい」
そんなお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
“できない”を“できる”に変える体験型イベントを、ぜひ一緒に設計していきましょう。















