2025.08.20
テーマパーク

イベントの“リピーター”を増やす方法|再訪を生み出す仕掛けとは?

目次

はじめに

「一度来てくれた人に、もう一度来てもらうにはどうすればいいのか?」
イベントや施設運営に関わる方にとって永遠の悩みであり、“再訪”は非常に重要な指標のひとつです。

初回の集客に成功しても、再訪率が低ければ持続的な成果にはつながりません。
逆に言えば、「また行きたい」と思ってもらえる体験と仕組みを用意できれば、イベントは“単発”の盛り上げ施策から“その場所の資産”へと進化します。

このコラムでは、マーケティング視点から考える「再訪を生むイベント設計のポイント」を解説します。

 

初回来場後のアクションが“次につながる体験”を作る

イベント終了直後こそ、参加者の満足度や熱量が最も高いタイミング。
この「余韻が残っているうち」に行うアクションが、再訪への第一歩になります。

 

例えば:

・お礼メール/SNS投稿でのリプライ
感謝の気持ちと一緒に、写真やハイライト映像、次回情報などを添えると印象に残りやすくおすすめです。
即日であれば、誰かと一緒に参加した場合に次の予定を立ててもらいやすくもなります。

・満足度アンケートで“言語化のきっかけ”を与える
「何が楽しかったか」「また来たいと思うか」を聞くことで、楽しかったと感じた参加者自身の中に、ポジティブな印象が定着します。
主催側にとっても、次回開催時に向けたリサーチができるためおすすめです。

・イベント後専用ページの用意
スタンプカードやスタンプラリーの進行状況、参加記録の証、参加者限定の写真などが見られると「自分だけの体験」感が強まり、そのイベントや場所への愛着が生まれます。
スタンプを集めたいというコレクション欲の刺激や、他のイベントや企画への興味の誘導もしやすくなります。

スマートフォンでアンケートに答えているイメージ画像

 

「次も来たくなる理由」をイベント設計に組み込む

再訪は「気に入ったからまた来る」というより、「次も面白そうだからまた来る」という動機づけが強い傾向にあります。
シリーズ化や、連動施策・構成の活用がおすすめです。

 

例えば:

・体験型イベントでは、ストーリーが続いていく形式にする
春夏秋冬で開催し、季節ごとに物語が進行していく構造にする、第1章クリア者だけが参加できる“続編”イベントを開催するなど。
また、メインのキャラクターを続投させることで、キャラクターに愛着が芽生えたり、物語の中で関係性の発展を楽しめたりするなど、コンテンツを好きになってもらえる可能性が高まります。

・スタンプラリーや称号システムの導入
3回参加で“マスター”称号GET、全制覇で非売品の特典をプレゼントするなど。
物理的に自分の進行度が見えると、自然にリピートが生まれていきます。

・次回予告や参加者限定の特典の提示
次回開催の情報と、「今回参加した方だけの特典」を用意すると、“続きが気になる”心理が働いたり、参加しないことによるデメリットがあることで”せっかくだから参加しようかな“という気持ちが芽生えたりします。
なお、これは、参加者の参加日やイベント終了日から日を空けないことが重要です。

 

★ポイント
次も来たくなるためには、“次の自分の行動が報われそう”と思えることが大事です。
コンテンツの面白さ+参加の積み重ねが可視化される仕組みを入れましょう。

子どもがスタンプを押している様子

 

SNSや口コミを通じた「関係性の継続設計」

参加者との関係は、会場での体験だけでは終わりません。
SNSやメールなど、イベント外の接点をどう設計するかが、再訪率に大きく影響します。

 

例えば:

・SNSで参加者の投稿を拾って紹介/返信する
公式が拾ってくれることで“見てもらえた”喜びが生まれ、ファン化が加速します。

・「また来たくなる」投稿テーマを設計
「#◯◯マスター認定」「#◯◯クリア報告」など、ハッシュタグで参加体験の感想の共有を促すことで、楽しかった記憶や感情が可視化されるほか、全体として盛り上がっている雰囲気を作ることにもつながります。

・公式メルマガやLINEで“先行情報”を発信する
「再訪者だけに伝える」情報を届けることで、特別感が生まれ開封したくなります。
開催から日が経つと、まずは思い出してもらうこと、楽しかった記憶を掘り起こしてもらうことが重要です。
そのためには、まず特別感やキャッチーな件名でメッセージを見てもらうことが大切になってきます。

メモ帳に書かれたSNS投稿内容のイメージとスマートフォン

 

ファン化を可視化し、“居場所”としてのイベントを育てる

リピーターづくりの最終形は「また行きたい」ではなく「ここにいたい」と思われる存在になることです。
単に楽しかったから再訪する、という受動的な動機ではなく、“自分の居場所として関わりたい”という能動的な関係性へと進化させることが、長期的なファン化につながります。

そのためには、イベントを心地よい場所、いつも楽しみを提供してくれる場所として、参加者に認識してもらえるように、関係性の設計を意識することが重要です。

①参加者同士の“つながり”が生まれる仕掛けを

・チームでの協力型ミッションなど、自然に会話が生まれるコミュニケーション設計
・常連参加者やリピーターが“新規参加者をナビゲートする”役割を担える構造
・SNS、LINEオープンチャット、Discordなど、参加者同士の会話が継続できる場の提供

イベントで生まれたつながりが、イベント外でも続くことで、「この場所=自分のコミュニティ」として定着していきます。

②イベントの“共創者”になれる体験を用意する

・過去参加者から「次回のアイデア」や「おすすめスポット」を募集し、実際に反映する
・イベントアンバサダーやモニター制度で「応援できる役割」を与える
・キャラクターデザインや仕掛けの一部を参加者発案のものにする「公募式イベント」なども効果的

自分の意見や存在がイベントの一部になったとき、一緒に作った喜びを感じ、「また来たい」を超えて、「このイベント/場所を一緒に作っていきたい」と思うようになります。

③ファンとしての“見える化”も忘れずに

・累計参加回数のバッジ/称号/ネームタグ
・「◯回参加ありがとう」メッセージカードや、参加回数に応じた非売品ステッカーの贈呈など
・再訪者の写真やコメントをSNSで紹介(主催や運営側のひとことがあると◎)

“関係性の証”があることで、所属感や特別感が芽生えます。
自分のポジションを示せるものがあることで、次回以降への参加意欲を喚起したり、コミュニティ内でのコミュニケーションの取りやすさにもつながったりします。

コーヒーを持ちながら楽しそうに会話をする女性たち

 

まとめ|単発で終わらせない、“次につながる設計”がリピーターを生む

一度のイベントが終わっても、次回への発展や関係性の継続は可能です。
そのためには、再訪を仕掛ける設計が必要です。
今後も継続することを見据えて考えていきましょう。

・参加直後のアフターフォローで、記憶と感情を定着させる
・次回につながる“期待”と“積み重ねの仕組み”を作る
・SNSやメルマガで、イベントの外でも関係を続ける
・「また来たい」を「ここにいたい」へ進化させるファン化導線をつくる

 

私たちハレガケは、リアル謎解きゲームをはじめとする体験型イベントの企画制作を行なっています。
ただイベントを作るだけでなく、開催目的やターゲットに合わせたイベント企画の提案から、次回開催を見据えた設計やそのための参加者の声の収集、SNSでの盛り上げ施策の実施など、企画からイベント開催後までしっかりと伴走しながら取り組んでいます。
また、イベント終了後には、開催レポートをもとに分析や考察をしており、次回に向けた提案も可能です。

「単発イベントでは終わらせたくない」
「次につながるイベントを設計したい」

そんなお悩みをお持ちのご担当者様は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
再訪を生むイベント設計で、参加者との“次”を一緒に描きましょう。