はじめに
集客を目的としたイベントを企画する際、一時的な賑わいを創出するだけでなく、「いかに参加者に再訪してもらうか」は、施設や地域にとって重要な課題です。
特に、体験型イベントは参加者の満足度が高く、リピーター育成に適していますが、その効果を最大化するのが「連作型イベント」の設計です。
本記事では、体験型イベントを通じて継続的に人を呼び込みたいイベント担当者に向けて、ファンを育み、リピートを生む企画の具体的な設計術を解説します。
キャラクターと世界観を継続させ「愛着」を育む

連作型イベントを成功させる第一歩は、参加者にイベントを開催する施設や地域、そしてイベントそのものに「愛着」を抱いてもらうことです。
そのための強力なワザの一つが、イベントの軸となるキャラクターや世界観を継続して使い続けることです。
継続することによって、参加者にとってその世界が「身近な存在」「馴染みのある場所」となり、結果としてリピート行動を誘発します。
キャラクターと参加者の関係を深める
単発のイベントだと、どんなに魅力的なキャラクターもその1度を彩るものに留まってしまいます。
しかし、続編やスピンオフなど、同じ世界観・キャラクターでイベントを継続して実施することで、参加者自身の理解と関係性が深まります。
この「継続的な関わり」こそが、参加者に「愛着」を抱かせ、「この物語の続きを知りたい」「またあのキャラクターに会いたい」という再訪行動を促す強い動機となります。

イベントを「季節ごとの章」として展開する仕組み
体験型イベントを単発で終わらせず、物語を「季節ごとの章」や「年間シリーズ」として展開することで、ファンを段階的に育成できます。
例えば、
・春の章: 物語の始まり、キャラクターとの出会い
・夏の章: 最初の試練、新しい仲間が登場
・秋の章: 核心に迫る謎解き、物語の転換点
・冬の章: イベントの集大成、世界を締めくくる
このように区切ることで、参加者は次のイベントが開催されることを楽しみに待つようになり、企画側は年間を通じて集客の波を作ることができます。

リピート参加を誘う「ストーリーの連続性」設計
世界観の継続のなかで、「前回の続きを体験できる」というストーリーの連続性も、体験型イベントでリピーターを生む核となります。
次回開催を予告する「伏線回収型」
イベントのフィナーレを単なる謎解きの解決で終わらせず、次回開催を予感させる「伏線」をあえて残し、期待を持たせるのも効果的です。
例えば、イベントの最後に謎解きの黒幕を逃がしたり、物語の核となるアイテムの一部だけを発見させたりすることで、「この物語はまだ終わっていない」という期待感を強く持たせ、次回イベントへの参加を必然的な行動に変えます。

「継続参加」を称える特典と仕組みの導入
リピーターに特別な体験を実感してもらうため、「前回も参加してくれた人」に特典をプレゼントしたり、「前回も参加したからこそ楽しめる小ネタや喜べる仕掛け」を導入したりすることも、非常に有効です。
リピーター限定の「称号」や「アイテム」はその代表的な仕掛けです。
・スタンプラリー・称号システム
参加回数やクリア実績に応じて、特別なスタンプや限定アイテム、さらには「名誉探偵」「物語の守護者」のような特別な称号を付与します。
・特典継続の仕組み
次回イベントで、前回のイベントで獲得した限定アイテムや称号を提示することで、限定のサイドストーリーやシークレットヒント、ステッカーなどの継続特典が手に入るように設計します。
この仕掛けは、前回参加者した方にとって「参加した証」となり、イベントへの満足度を高めるだけでなく、「次回も参加したほうがいい」という動機付けにもなります。

地域との共創で「毎年恒例」にする企画力
連作型イベントを成功させる最終段階は、地域や施設全体でそのイベントを「風物詩」として定着させることです。
「この地域といったらアレ」「この場所は毎年この時期にこれがあるよね」という認識を持ってもらえるように育てていきませんか?
SNSや口コミで自然に広がる仕組み
毎年決まった時期にイベントを実施し、前回参加者がその楽しみをSNSで語り出すようになれば、企画は成功といえるでしょう。
・エリアの特色や地域の魅力を活かした体験イベントは、地域のランドマークと体験がセットで記憶されるため、定着させる大きな要素となります。
・地域の店舗や住民と協力し、イベント中の手がかりを地域のポスター、地域住民コミュニティ、地元の方がよく利用する施設の中などに仕込むことで、イベントが地域全体の一体感を高める装置になります。
株式会社ハレガケが手掛けた「地域を舞台にした継続的な謎解きイベント」では、前回からの続きの物語を展開したり、人気キャラクターを継続登場させたりすることで、リピーター顧客を多く引き入れています。
「前回の物語の続きを知りたい」「あのかわいいキャラクターにもう一度会いたい」「次はどんな事件が起きるだろう」と、前回があるからこそのフックでその地域をまた訪れるようになり、結果として地域活性化やイベントの成功を実現しています。
【事例①】愛知県清須市 市制20周年記念謎解き

例えば、愛知県清須市の市制20周年記念謎解きイベントでは、第一弾から第三弾まで同じ「キーアイテム」を登場させています。
リピーター顧客がストーリーのつながりや小ネタを楽しむことできる仕掛けとなっています。
【事例②】千代田のさくらまつり×謎解き

千代田のさくらまつりで開催した謎解きイベントでは、同じ怪盗のキャラクターを登場させています。
世界観やビジュアルも統一させ、土地ならではの魅力を引き出したイベントを毎年企画することで、「千代田のさくらまつりといえば謎解き」という定番化に成功しています。
さいごに|“また行きたくなるイベント”を、次のスタンダードに
体験型イベントは、一度きりの企画ではなく、継続的なストーリーとして設計することで、参加者との深い関係性を築き、リピーターという強いファンを生み出すことができます。
継続的な集客効果を目指すイベント企画について、ご興味がございましたら、ぜひ一度ハレガケにご相談ください。
単発の集客では終わらせない。
体験の続きが気になる、あの場所にまた行きたくなる――。
そんな“記憶に残るイベント”を実現するために「連作型イベント」の設計は非常に有効な選択肢です。
世界観やキャラクターを軸にした継続企画、前回参加者だけがクスッと楽しめる小ネタ、地域や季節との自然な連動。
こうした設計が積み重なることで、イベントそのものが“地域の名物”へと育っていきます。
株式会社ハレガケでは、
・世界観の構築からイベントの年間企画の設計
・キャラクターを活かしたリピート導線
・物語の連続性を前提とした体験ストーリー
・再訪したくなる仕掛け設計(称号・スタンプ・特典)
などを組み合わせ、リピーターを生む体験型イベントをご提案しています。
「単発で終わらせたくない」
「地域にファンを育てたい」
「毎年来てもらえるイベントにしたい」
そんな想いをお持ちのご担当者様は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
“また行きたくなる設計”を、一緒につくりましょう。















